癌ですけど、いいですか?

癌でも、ふざけたことしたい。癌でも、爆笑したい。真面目なことも、馬鹿馬鹿しい事も全力でやりたい。いいですか?

入院何日目だ?〜   非力で無意味で暖かい

やっとこさ、明日主治医が夏休みをあける。笑

いつも会いたい主治医ですが、

マジ会いたい💕


コロナで家族にも会えないためか、

仲間はだんだんと大きな集団になってます。笑

みんなそれぞれ辛いのに、

それぞれを労りあってます。


2週間前は手術日も家族は病棟に来れたのですが、

今週はできる限りご遠慮くださいとなっています。

患者の病室の荷物も看護師さんが家族から受け取ってます。

入退院でさえ、病室に入れなくなってきました。


コロナに緊張感が漂う病院です。

そもそも、乳腺外科は8階なんですけど、

消化も循環も乳腺も内分泌も、シンプルな外科も、

同じ3階に詰め込まれてます。

てんやわんや。

空いた上の方の階が、まさにコロナ最前線のようです。


私は毎日病院の中を、雑貨屋だ、コンビニだ、本屋だとウロウロしていたのですが、

看護師「あまりウロウロしない方が良いよ〜」

と釘を刺されてしまった。

いくら住み分けているとはいえ、万が一でも病棟に持ち込むわけにはいかない。

仕方なく、同じ階の病棟内をぐるぐるぐるぐる歩いてます。

ドアを開けている個室のおばあちゃんには、

前を通るたびに毎回手を振って応援されるので、

ウォーキングのやめ時が分からず、

夕飯まで歩き続けてしまいました。笑



2週間という短い期間ですが、

同室には色んな方が入っては、出ていきます。

最近の手術入院は短いですね。すごい。




先日、同室の方で短期間の方がいたのですが、

コロナの後遺症に悩まれている方でした。

咳も出ていて、熱もあり、

色んな臓器での炎症が疑われているようでした。

が、

何もできないので、熱が落ち着いたら退院されました。

免疫の暴走は、現代の医療では対応できないのかと、

隣のベットで科学の非力さを感じました。



胃がんや、糖尿病や、心臓関連など、本当に色んな人とこの2週間で話をして、

お互いに

「まぁ、どうにか、生きていくしかないね!」

なんて、励ましたりしあっているんです。

が、

コロナ後遺症の方とは話せませんでした。

とても疲れているご様子で、話しかけるような状況ではありませんでしたし、

看護師さんなども気を使われていました。

(その割に、話す内容は丸聞こえではありましたが)



もちろん、もう感染能力はありませんから、

同室で全然問題ないのです。

私がかつて麻疹にかかったことがあり、今、麻疹を人にうつす能力がないのと同じで、

全く、全く問題はありません。

でも、お年を召した方などはコロナの後遺症と聞くと、びっくりして、

「私たちにうつったりしないのかしら?」

と不安に思ってしまいます。

不安に思う気持ちは当たり前だし、それを非難はしません。

おばあちゃんにはみんなで「医者が判断しているんだから問題ないんだよ〜」と落ち着いてもらい、私たちが笑顔で普段通りであることに安心してくれました。

「そっか、そうよね。やだわ私ったら〜」

(ちなみに、このやりとりは病室外でやっていて本人には聞かれてません。)


これが、病院ではなく、ご近所さんだったらどうだろうか?仕事場ならどうだろうか?

後遺症に苦しむ方は、

どんな風に周囲からの目で見られ、

気を使いつつ、

つらい体とこれからを生きていく覚悟をしているのだろうか。



後遺症の人は、ささっと、隠れるように退院されて行き、

同室の仲間は声もかけること無く、送ることとなりました。


声をかけたところで、何もできやしない。

なんなら、面倒に思われただけかもしれない。

それ以前に、何かを考えられないぐらい、体力的にきつかったかもしれない。

そう、声かけはただの自己満足に過ぎない。

意味なんて無い。

非力だ。

でも、でもさ。



「なんかちょっと、つらいね。」

「戦う仲間がいないのは、つらいよ。」

「また救急車きたよ」



感染症とは、何と悲しい病気だろうか。





「私、乳がんなの。」

この一言を他者に言えることは、

様々な病がある中で、

幸せなことなのかも知れないとさえ、思えた日でした。