すてき奥様のつもりが、マジシャン
癌となった私をどう扱うか
友人達は色々と考えてくれます。
そっとしておいてくれる人
連絡を頻繁に入れてくれる人
変わりのないようにしてくれる人
みんな優しい。
腫れ物扱いで当たり前。
それでも私の性格を考えて、
無駄に腫れ物のようにならないようにしてくれます。
が、
やっぱり腫れ物は腫れ物。
言葉を選ばれ、
表情を読まれ、
間に気をつけられると
なんだか「私ってそんなに可哀想なのか」と笑えてきてしまうので、
今月のカードの支払いなどを思い出して顔を引き締めます。
そんな中、
今までサシで遊んだことのない方から
クッキングのお誘い☆
なんと、おしゃれなお誘いだ!
手作りティラミスを食べる機会があって
あまりの美味さに「教えて!」
と言ったのは5年前。
忘れないでいてくれたのね。
ご自宅に呼んでくれて、
レッスンandランチ!!
手を動かし、次の行程を考えながら、喋る喋る。
「抗がん剤がやっぱりキツくてさぁ〜」
「ハゲは楽しくできるけど、早く生えて欲しいのは間違いないかな〜」
「絶対に治るなんて保証はないしさぁ〜」
なんて感じに次々と愚痴がでてきました。
他のことをやっている分、
あまり考えが及ばずに発言しているからでしょうか。
相手も、
「はい次はこれ入れてね。え?吐きまくり?大変だね。当たり前か。あ、混ぜ過ぎ混ぜ過ぎ」
など、適当な相打ちを入れつつザックリ聞いてくれました。
逆に相手の重た〜い家族の悩みも聞く。
あぁ、この重い話はなかなかだなと認識しつつも
こちらも作業しながらなので、
「そりゃ大変じゃん。おっと、ココアを鼻息で撒き散らした〜ごめーん。で、その旦那の状況はいつからなの?あ、あと砂糖どこ?」
ザックリandぐちゃまぜなお返事。
そこらじゅうに、ココアを降り注ぐ生徒の図
ティラミスもでき、
ランチを食べる頃には、
すっかりグチはお互い出し切り、
どーでもいい話をしてました。
ティラミスが学べたという達成感も付いてきて素晴らしい!
すてきランチの登場
抹茶テリーヌショコラの登場
赤毛のアンで近所の女の人たちが集まって
料理や裁縫といった手仕事しながら喋りまくるシーンがあるけど、
あれは正しいと実感。
お互い、真正面を向いての話だとしたら、
気を使いまくり、腫れ物vs腫れ物だった。
手を動かしながら話すのもたまには良いですね。
誰かに解決して欲しいわけでもなく、
ただ、聞いてよ〜というだけだから、
返事も適当がありがたい。
カウンセリングじゃないんだからさ。
家に帰ってティラミスをパクリ。
美味い💕
が、
敷き詰めていたカステラに付着していた紙を
取り損ねていたようで、
マジシャンが万国旗を出すみたいに、
口から長い紙を出しました。
料理も適当、
話も適当、
全部65点ぐらいでよし。
今の私にはこれぐらいが
ありがたい。
さ、今日は抗がん剤4回目
受けてきまーす!