今までで一番深呼吸して書いたサインだったなぁ
ネジバナの季節です。かわいい。
とうとう、火曜日はラスト抗がん剤です。
抗がん剤への思いを語ります。
なんじゃそりゃ？ですよね。
今日のオフコースは真面目ですぞ。おほほほ。
マスタードガスは戦争で使われた最強最悪と言われた毒ガス。
マスタードガスにより、白血球数値が著しく低く、
骨髄抑制が起こっていることに気づいた科学者は、
細胞分裂中の細胞に作用すると気づいたわけです。
そして、本当にちょっとだけ構造を変えて、抗がん剤が作られた。
ふと、思うわけです。
戦争のための技術、
何万人もの人を殺すために作った技術で、
私はかろうじて命を救われたな、と。
「戦争などあってはならない」と
何回も生徒に向かって偉そうにいう私が、
戦争のための、人殺しの技術で救われる。
技術の進化は、戦争で加速する。
戦争がなかったら、現代の人類は到底、
抗がん剤には辿り着かなかった。
技術はいつもそう。
抗がん剤に限った話でもない。
飛行機も、ドローンも、GPSも、
どの技術もそう。
戦争が横にある。
いちいち誰も罪悪感は持たない。
でも、使うなら、理解しなければいけない。
「技術には必ず光と影がある。光だけを見てはいけない。」という基本。
技術そのものに、罪も意味もない。それだけ。
ハサミは人殺しにも使えれば、
外科手術にも使える。
その影を知ってこそ、使う権利がある。
ハサミを手に持つという事を理解し、
責任を背負って、ハサミを使う。
私は癌になった。
生物として当たり前の宿命。
でも、抗がん剤を使って何が何でも生き延びると決意した。
この技術のために、多くの人の命が奪われている。
使うのなら、
これからも自分らしく生きようと志し、
生きることを楽しみ、
幸せになる努力をしつづける覚悟をもつべきだと私は思う。
抗がん剤を初めて使う時、
同意書にサインをした。
あの時のドキドキは忘れない。
ラスト抗がん剤さん、
私にはびこるガンコちゃんを
ぶっ潰してください。
これがラストチャンス。
終わってからの副作用は気になさらず
思う存分やっちゃってください！
その後は、私が頑張ります。
そう私が決めて、
あなたを使っているんです。
よろしくお願いします。
