癌ですけど、いいですか?

癌でも、ふざけたことしたい。癌でも、爆笑したい。真面目なことも、馬鹿馬鹿しい事も全力でやりたい。いいですか?

え?また検査ですかい。

遠隔転移はないと言ってたのに、また検査となりました。

 

先生「なんか、癌細胞の性格が悪そうだから念のために調べよう。なんだか大きくなってるし、リンパ節の他の部分も気になる。どうせ高額医療費のMax超えてるからさ!」

 

私の細胞由来の癌細胞が性格が悪い。

私の性格が悪いってことですか?と因縁をつけたくなるのをグッと堪えて、

 

私「やるやる。もう、なんでもやりますよ。で、何の検査ですか?」

先生「PET。」

私「PET!?マジで!!ペットですか!!光るやつですよね?癌だと光るやつ!!」

先生「そう、転移してたらそこが光っちゃう検査。何をワクワクしているのよ。」

私「いや、ワクワクしますよ!放射性物質を私の中に入れるんですよね?で?で、何で癌が光るんですか?」

先生「癌は他の細胞よりもブドウ糖が好きで取り込むのが早いの。だから、ブドウ糖放射性物質をくっつけておいて、」

私「なるほど!!だから、癌細胞だけ放射性物質が取り込まれて見えるから光るのかぁ〜!凄いなぁ〜なんて貪欲なんだ!なんて利己的で合理的なんだ!

あれ?でも、脳の神経細胞ブドウ糖が好きですよね?」

先生「そう!だから脳の腫瘍の場合はPETで見るのは難しい。脳がピカピカに光っているからね。

脳細胞>癌細胞>普通の細胞

の順番で、ブドウ糖好きだね。」

私「なんと!私の脳は癌より利己的!!凄い勉強になりますぅ〜感動ですぅ〜」

先生「あなたほど、がん治療を楽しく聞いてくれる人はいないね〜笑。でも絶対に光るの見てみたいとか思っちゃダメだよ〜」

看護師に呆れられながら、話は進む。

 

先生「で、転移が無ければ、薬を始めるけど、いつ始められるかな?」

私「最速でお願いします。」

先生「あれ?心の準備は?」

私「心の準備?いりません。1秒でも早く私はこのテロリストガンコちゃんを殺したい。髪は生えます。怖いのは転移であって、胸が無くなるとか、髪が無くなるとか、どーーーでもいいです。」

先生「分かりました。じゃ、無事に転移が確認されなかったら、来週には殺しにかかろう!」

私「はい!!抹殺ですっっ!!」

ドン引きの看護師さんが視界に入りました。

 

しかし、確かに私のガンコはなかなかです。

この前2.7センチだったのに、今日3.5センチになってた。

私「なんでこんな短期間で?!意味がわからない。」

先生「なんでだろう?分からないね〜。これで抗がん剤がもし効かなかったら困っちゃうな〜」

 

困っちゃう?困るのは、私ですっ!!

と叫びたかったが、面白い先生なので許す。

 

ペットで光りませんように✨