勝つって何に勝つべきなのか？

CTってなんの略だろう？

と、考えつつCTの準備をする

若い男性技師「初めてですか〜？」

私「初めて✨」

無駄に可愛く言ってみたりしてますが、

この30秒後には何のためらいもなく、

スカートをずり下ろされCTが始まります。

(ジッパーがダメなら最初から下も着替えさせろや)

造影剤は確かに何か変な味？のようなものを感じたし、体があつくなって、膀胱とかがジワーッとなって、

あれ？漏らしてみたかしら？

と1人で慌ててみたりした。笑

悪性腫瘍だと一旦血がブワッと集められて、

すぐに解散するからMRでもよく見えたなぁ。

CTでもきっと

私をみて！ほらほら、主役は私よ！！

と血液を集中させる私の美しいテロリストのガンコちゃんが写るんだろうなぁ。

そうか、だから最近左の胸の方が温かいのか！

すげ〜な、ガンって。

で、CTって何の略だろう？

コネクト　なんちゃら？

コンタクト　なんちゃら？

カット　なんちゃらか！？

セルってことは無いよな〜

なんて思っている間に全て終わっていた。

旦那を念のために呼び出して、いよいよ方針を決めていく。

私「ねえねえ、CTって何の略かな？」

旦那「うーん。『ちゃんと撮る』じゃない？」

ほほぅ〜

そして呼ばれて担当医から説明。

「画像に目立った転移はまだ見られない。

ステージ4にはまだ行ってなさそうだね。

リンパ節からの細胞採取も癌は確認できなかったけど、

こんなに腫れて転移してないわけが無いから、

絶対に転移してます。

なので、ステージはまだ分かんないけど、2b以上4未満

ガッチリ抗がん剤で抹殺しましょう！」

私「細胞の悪性度は？」

医者「まだ、あなたの細胞は北海道なのよ。

まだ待ってね〜」

残念。そこが1番知りたかったのになぁ〜。モヤモヤ。

っていうか、北海道行ってんの、私のガンコちゃん！？

日本中のテロリストガンコは北の大地に集結してるのかな〜

医者「なんか質問あります？」

すっかり魂が北海道に行ってしまったので、思考回路が止まり、

とりあえず癌専門の看護師さんとカウンセリングしたいとお願いした。

医者「あ、温存ってしたい？」

私「命優先のつもりですし、乳頭真下だから無理ですよね？」

医者「あー、全部言われちゃった。そう、諦めようね。他質問あるかな？」

旦那が私をみて、

「CT聞く？」

聞くわけねーわ。

帰りに腹ペコだったので、喫茶店で食べて帰ることにする。

旦那「パンケーキとか、モンブランとかあるよ？」

私「いや、カツサンドでしょ。勝ちに行くから。」

ステージ3だと生存率が幾つだとかよくいう。

でも、確率の問題でしかないので、私に当てはまるというものでもない。

ここからは、楽しく生きたもん勝ちなんだよな。

と、

ガンに勝つじゃない。

気持ちで勝つでもない。

私の弱気や逃げ出したい気持ちに向き合うという意味で、勝ちに行く。

勝たんのよ、わたししか。

私「うまくいったらさ、お金貯めて、オッパイ作り直してもいい？」

旦那「いいよいいよ。でっかくしようよ。叶姉妹に勝つぐらい。オレも楽しみ！！

あ、CTってcomputed tomographyだってさ。」

私「コンピューター断層撮影。つまらん。ちゃんと撮るでいいよ。」

旦那のショートケーキが私の前に出され、

私のカツサンドが旦那の前に出された。

残念だね、店員さん。予想を外したよ。

「私は勝っちゃうんだな〜」

ペロリと食べる私をみて、旦那は笑ってくれた。