癌、始めました。③
2月8日
ジジィ医者はクチコミ通り、
何を言っているのか30%ぐらいしか聞き取れない。脅威の早口だった。
でも、的確で無駄のない診察でした。
乳房を目にも止まらぬ速さで、
ぽよぽよぽよぽよぽよー
(なにこれ。天使のタッチだわ。)
ジジィ「左にしこりがあるね。大きいね。マンモ最後はいつ?」
私「8月です。問題なしと言われてます。」
目にも止まらぬエコーチェック。
しこりのサイズチェック
ジジィ「2.5センチあるよ。ちょっと硬めだね。
はい次、リンパ節みるね。脇を見せて」
ぐりぐりぐり〜
「ぎやぁぁぁぁぁあああ!!」
待合室まで響く私の悲鳴。
クチコミをさらに下げたら私のせいです。
私「マジで!ほんとに痛い無理無理無理!いやぁー!首つった!痛い痛い首がつりましたぁぁ!」
ガン無視のジジィ
「針刺して、細胞調べましょう。」
私は「え?麻酔は?」
ジジィ「しませんしませんしません」
私「3回も言う?マジで!胸に針?怖いです!怖いから何か握るものありますか?何か恐怖を握力で誤魔化したいです!」
看護師が生け贄。私に全力で手を握られる。
こっからのジジィは明らかに言葉を選んでいた。
「形は両性とも悪性とも言えない。マンモに映ってなかったんなら、良性の可能性がある。でも、針を刺した時の感触は硬く悪性の感触に近い。」
これは、悪性の可能性の方が、高いのかなと感じる
「とにかく、リンパ節も腫れてるからこれがもし悪性だったら早く大きい病院に行こう。〇〇病院なら僕が週一回、手術とか手伝いに行ってるから紹介する。いきなり、手術とかないと思うよ。薬で小さくしてから。結果は今週には出るから。きてね。」
という内容をものすごい速さで3回ぐらい繰り返し言ってた。
うーん。心配になってきたな。悪性の可能性を強めに伝えておくのが医者のセオリーなのかな。
挨拶して、部屋を出ようとした時、ジジイが
「頑張りましょう」
思わず、一時停止してしまった。
ジジィ確信してやがる。
帰り道
「こんなリンパ節じゃ、癌だよね。
分かってるよ。うん。だって生物教師だもん。」
涙は出ない。
旦那にメール。
悪性が良性かは五分五分と言っておいた。