癌ですけど、いいですか?

癌でも、ふざけたことしたい。癌でも、爆笑したい。真面目なことも、馬鹿馬鹿しい事も全力でやりたい。いいですか?

ofcourseokの知恵袋?

ココロんさんからの質問です。

 

私、セイタカアワダチソウはススキをやっつける悪者だと思って育ってきたんですけど。毒を持ってて周りの植物をやっつけるって聞いたからです。
でもウワサによると、自分の毒で自分がやられて、結局その場所にまたススキが蘇ってきてるって。
(誰のウワサかわかんないんですけどね。)
本当ですか?

 

めざせベストアンサー!

 

セイタカアワダチソウ

いいですね~ 秋です。 

乾燥させて風呂に入れてバシャバシャすると、少し泡立つんです。

こどもと一緒に入って楽しんだこともありました。(名前のアワダチは泡立ちとは関係ありません。笑)

黄色くて、背が高くて、

まさにアメリカからやってきた☆って感じします。

金髪美人がやってきた的な?

 

セイタカアワダチソウはきっとこの恵まれた日本の土地に驚いたことでしょうね。

「この土地すごいすごい!栄養がいっぱい!」

と成長し、アメリカにいる時より背を伸ばし、増えに増え、

ココロんさんの言う通り

「私以外は育っちゃダメェーーーー!」という

強烈なワガママ物質をまき散らし、周囲を黙らせました。

このワガママを発揮することをアレロパシーといいます。

「あれろぱしぃー!!」

周囲はドン引きです。

もう50年が過ぎたわけです。はい。

勢いが明らかに弱まりましたね。ススキがかなり逆転してきています。

 

セイタカアワダチソウの出した物質は日本の土でも多く蓄積して、

セイタカアワダチソウ自身の種子が発芽できないレベルまで達してしまいました。

「自分で出して、自分でやられるなんてお茶目だな☆」なんて言われますけど、

よっぽど人間の方が、やらかしているのでそこは黙っておきます。笑

 

もともとアメリカのセイタカアワダチソウより元気に背を高くのばしていたのは

アメリカの土もそれなりの物質濃度に達していることが大きいようですね。

 

でも物質濃度だけが原因ではないと言われています。

セイタカアワダチソウはとっても栄養がいる子なんです。

だから、ネズミやモグラの糞がいっぱいあるような土地でしか

あんなに背を高く出来ないんです。

日本の土から、ネズミやモグラが多く駆除されてしまったことはかなり大きな要因です。

さらに、川の水もきれいになってリンなどの栄養素は供給されなくなりました。

追い打ちをかけるように、アメリカでセイタカアワダチソウがやられていた虫たちがおくれて日本にやってきたので、

セイタカアワダチソウは、フルボッコです。

 

栄養が少ないのにも耐えられるのはススキです。

田畑など栄養を人為的に補充している土地ではまだまだセイタカアワダチソウがいっぱい見られますが、

河川敷はススキが優勢になっていくだろうというわけです。

ススキが物質を吸収するとか、土を綺麗にするとか、ナウシカ腐海みたいなことはしていません。

 

外国ではススキが非常に迷惑をおかけしているようです。

ワカメもとんでもない被害を出しています。

ええ!?うちの子に限って!まさか!! です。

海を越えると、羽目を外してしまうのは人間だけじゃないですね~。

 

在来種を守ろうとする働きをされている方々に怒られるかもですが、

日本は島国です。

だから、在来種・外来種の区切りなんて本当はありません。

全部外来種です。

勝手に、「江戸時代にはいたなら在来種だね~」なんて決めているわけです。

私は生物オタクなので

ススキも、セイタカアワダチソウも、どちらも愛すべき植物です。

「あなたは未来永劫、この島の中でしか生きちゃダメ!」

なんて、人間は何を言ってるんだと。

だったら、人間もその場所から動くなよ、お前が動くから、動物も植物も動いちゃってるだけなんだからな!!おまえのせいだかんな!

と、つくづく思います。(私も人間ですけどね。はい。)

 

私がこの生物たちの戦いを見ていると、

競争って本当は無いんじゃないかな?って思います。

高校の教科書に「競争」って用語は確かにあるんですけど、

学者もまだ、これが本当かは誰も言いきれていないんです。

試験管の中で2種類のゾウリムシを入れたら、それはどっちかしか生き残りません。

でも、自然界では絶滅に追い込むほど攻撃する意味はないんです。

2種類でうまく生きていくんです。

なんだかんだ時間をかけて、優劣はあっても、

結局仲良く生きることが多いということです。

 

絶滅することもあるじゃないか!と言われますが、

それはもともと、厳しい状況だったことがほとんどです。

外来種の襲来はきっかけに過ぎず、もともと運良く生きていたと言えるものが絶滅種だったとも言えます。

世界は広いし、緑は豊かだから、

隠れるところもいっぱいあって、エサも結構あるんです。

そこそこの力があれば、共存します。

元気いっぱいな相手を絶滅に追いやるなんて、

大きな気候変動か、人間だけです。

 

よくありますよね、少年漫画で

ヤンキーが転校してきて、ボコボコにやり合って、

最後は「おまえ、やるなぁ!」なんて言って、

河川敷であおむけになって、

肩組んで大笑いしてなるみたいな。

ススキとセイタカアワダチソウは、

今ちょうどそのシーンなんです。

セイタカアワダチソウ: 雲のような日々

答えになったかな?笑