癌ですけど、いいですか?

癌でも、ふざけたことしたい。癌でも、爆笑したい。真面目なことも、馬鹿馬鹿しい事も全力でやりたい。いいですか?

いつも通りの、さよーなら

生徒とは今日が最後

生徒には何も言わずに突然いなくなることになっている。

病名を伝えて休みに入るかを、何度もよーく考えた。

色んな人とも相談した。


結論

「体調不良による、突然の担任交代and休職」


何も言わない。しゃーない。

確かに癌という病名はインパクトがデカイ。

ディープインパクトだわ。(名馬だわ。)


生徒の中にはたくさんの不安を抱えている子もいる。

正直に伝えたらどうなるか、考えただけで恐ろしい。

うつらない病気であること、あなた達のせいでは決してないことを、次の担任に伝えてもらう。



今日はテストの最終日でもあった。

最も生徒の機嫌が良い日だった。


きりーつ、れい、


「はい、終礼始めます。

あと学校来るのはなんと5日間!

(やば〜!ありえない)

やばいね。でも、マジだ。

中学最高学年になるよ。

(信じられん!うちらも、老けたな!笑)

今の自分は入学時にみた中三の先輩の姿に近くなってか?

あの超大人に見えた先輩達を思い出して、

あと5日間で追いつこう。行ける。

そして、ロッカーの中、空にするぞ!

(無理だわー。いらないもの置いてく。)

残ってたら着払いで家に送りつけるからね。

(マジか!鬼か!炭治郎助けてー!)

人を鬼滅扱いするな。

じゃ、テストも終わったし、寄り道せず、ミュージックステーションみたら、寝ろ。

夜更かしすんな。

肌が荒れるぞ。

(私らぷりぷりだもーん、先生こそ早く寝てね)

うっさいわ!笑

以上。」



きりーつ、れい、

さよーならー



「うん、さいならー」



放課後、誰もいなくなった教室を1人見て、泣いた。

マジで、ごめん。

みんな、本当にごめん。


中高一貫なのがせめてもの救い。

高校生になったみんなに

「なんだ、元気じゃん!心配して損した!!」

って言わせよう。